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Posted by ミリタリーブログ at

2021年05月10日

MilsimFarEast01参加しました

先日富士・朝霧高原で開催したMlilsimFarEast01(MFE01)に参加してきました。
REDチーム米陸軍一般の分隊長を拝命しなんとか状況を終え帰ってきたので忘備録的に記事に残しておきたいと思います。

REDチームは今回のシナリオである欧州での演習のOPFOR(仮想敵)側となるので、通常と異なりかなり柔軟な装備統制となりました。
前回はUCPでヘルメット・ボディアーマーあり(いわゆるフルバリ)でしたが今回はどちらも無しが基本でジャケットをWL BDUにしより現地での擬装に配慮し、装備もアーマー類が無い分軽装になりました。

前回初めての参加で分隊長をやらせてもらって技量・知識ともに不足で苦い思いをしたので今回こそはと意気込んで挑みました。

最初の第一状況は日中です。
分隊は陸軍7名空軍PJ2名の9名編成でした。

REDチームは攻撃側で事前に各分隊2名斥候を出し敵情を集め、その後時間を合わせて攻撃し突破する作戦計画でした。

斥候は自分と知り合いのN氏で行きました。
フィールドはざっくり東西で別れており、中央のセーフティにあたる部分が目標になっています。
我々の斥候担当は西部、北側でありフィールド境界線に沿ってかなり急な斜面になっているのが特徴の地域でした。
進行していくと我々は斜面上にいるため少し離れたところに味方の斥候が前進していくのが見えます。
僕らは斜面をトラバースしていくのですが、のそのそ動く僕に比べてN氏の軽快な動き… 運動不足が露呈します。
N氏が少し先行し僕は後方を警戒、中央方面に敵が見えると報告があった直後だったか…?発砲音が聞こえる!!直後に叫び声。
直接は見えないものの味方の斥候がやられた可能性が高い雰囲気… 我々は急斜面上で遮蔽物も少なく動ける範囲も狭い、敵に襲われたらひとたまりもありません。
しかし敵が来る気配は無く斥候を継続しました。その後無線を聞く限り近くを行った味方の斥候2名は被弾により負傷(判定)となり、救援されたようだということがわかりました。
最終的に敵の機関銃陣地を発見し、そこまでで斥候はやめにし分隊に帰還しました。


写真 斥候から帰還する途上 急斜面の為両手を使って慎重に降りていく

帰還し敵情を改めてREDチームを取り仕切る小隊長に報告し、分隊の状況を確認。次は攻撃です。

我々の分隊は後衛で前衛は味方の2個分隊が担当でした。
攻撃開始時刻になり前進を開始していきます。無線機からは前衛部隊の接敵や交戦を伝える声が頻繁に鳴り響きます。
我々の分隊には空軍のPJが2名アタッチしているため敵の航空攻撃(以下CAS)で被害が出た場合の救護の任務もありましたが、実際は攻撃中に我々の居た地区ではCASで大きな被害が出ることはなかったようです。
前線は押しているようでしたが当然交戦が続くと味方も消耗するため、ある程度のところで遂に我々の分隊に最前線に加勢するよう命令が出ました。
リスクはあるものの最前線で僕らを待っている味方の方が危険な状況だろうと思い移動速度を上げて最前線に急行します。
前衛部隊のラインまで到着すると同時に前方の敵と交戦に入ります。
樹木で遮蔽を取りつつ前進していきます。しかしそこでFT-Aの指揮をとっていたV氏が被弾、バイタルゾーンに被弾の為即死判定となってしまいました。
しかし目標エリアはもう目前、ここで足を止めるわけにも行かず前進を継続。最後の稜線を超えて敵の最終防衛ラインに肉薄します。
ジリジリ進むと僕のいた位置からみてやや左方に敵機関銃発見の知らせ。攻撃を…と思ったところでFT-Bから後方に敵が回り込んだと報告。
このあたりは正直細かく覚えていないのですが、結構狼狽しました。我々も既に1名減っていますし、予備兵力はもう居ない(我々が予備)ため、後方から襲撃されたら大被害が出て突破出来なくなるかもしれません。
ここで僕がなんて言ったのか正直よく覚えていないのですが、後方を見渡してすぐに攻撃出来る位置は取られていないから少し時間に余裕はあるなと思い前線を向き直したのを覚えています。

そうこうしているうちにFT-AのSAW射手を担当しているB氏が機関銃陣地に射撃出来る位置を確保しバリバリ援護射撃をし、FT-BのN氏が敵陣地を撃破しておりやった!!と思ったあたりで状況終了となりました。敵を概ね殲滅し僕らの右翼側から味方が突破出来たようです。
最終的に我々の分隊は死亡1名のみで攻撃は成功という形になりました。結局敵を攻撃する以上はこちらが撃たれるリスクは避けられないもののなんとか出来なかったのか、慎重さに欠けた前進になってしまっていたのか?などと思うところがありました。
特に最終局面では分隊のメンバーのそれぞれの活躍で敵を撃破したものの自分は状況を座視していた様なものであり、自分の視界の狭さと判断の遅さに反省点が残ります。


その後夕方~日没に掛けて第二状況が始まります。
第二状況では我々の分隊は諸事情により僕入れて4名での作戦参加となりました。今度は敵が目標を奪還しに来るので守るのです。
19時まで守りきれれば目標達成、それまでに突破されてしまったら敗北です。

先の状況の斥候の振り分け地区をもとに担当地区が割り振られ、配置に付きました。先程張り付いていた斜面を眺めながら恐らくは少し前に敵側が機関銃を据え付けていた場所に今度は僕らが入った形になります。
布陣した位置からは正面は広く平らになっており射界が取れるものの左側は高い稜線が隣接分隊との間にあり分断された位置とも言えます。

しばらくは敵の気配は無く緊張感のある空気だけが周りを通り抜けていきました。
しかし無線機から我々から離れた地区で接敵の報告があった少し後から状況が変わっていきました。
左方の高い稜線上に敵が現れました。それも分隊規模で隣接地区の友軍に正面から接近しており、我々には気付いていない状況と考えられました。
日没が近づきじわじわ暗くなっていくなかで僕は猛烈に迷い、焦りました。こちらは4人です。敵が稜線のこちらがわに退避してきた結果発見される危険もあります。逆にこちらが稜線に取り付いて敵の側面を叩く事も出来るかもしれません。
しかしここで我々が動く事で防衛ラインに穴を開けてしまい突破口にされてしまう危険もあります。
結局敵はこちらを発見すること無く突如として撤収していき、気配が無くなりました。

周囲を警戒していても敵の気配はまったく無くいよいよどうしようかというところで第二線まで後退し防御を固めるよう命令が出たため後退し、これにより隣接分隊とも直接連絡出来る位置になりました。この頃になるともうだいぶ暗くなってきていました。
我々から最も離れた南方地区で交戦が始まり、遠くから響く銃声と声、無線機から入る慌ただしい報告で自然と緊張感が高まります。

交戦の音がこちらにも聞こえてくる中、戦力を南方に集中することとなり主戦場と思われる稜線の向こう側に行くことに…
稜線を超えるか、超えないかくらいの位置で敵から攻撃を受け、隣接分隊のFTと共同し交戦に。
敵の攻撃は激しく、我々はK氏が足を撃たれ負傷、共同していた分隊のFTも気がついたらあと一人か二人まで減っている。
しかし敵も被害が出ているようで次第に気配が消えて妙に静かな状況に。時折ライトで索敵しているのが見えるが肝心の光源はイマイチ見えない。
残り時間はわずか。あと少し守り切れば目標を達成。
分隊の状況を確認し、N氏の提案でライトを照らす役と索敵役で少し離れて索敵しているうちに時間により状況終了となりました。

最終的な損耗は4名中負傷1名。
夜間は特に方向感覚が狂いやすく正直交戦途中は完全に位置を見失っていました。
ATAKが使用出来たものの暗い中では的を教える事になるため躊躇したのもありましたが、なかなか経験を積みにくい夜間状況はやはり難題だと認識しました。
移動の少ない防衛側でコレなので攻撃側だったら…

初日はコレにて終了となり、次の第三状況は翌日になります。


第三状況
早朝3時に起床し、装備の準備を始め4時前には分隊長のミーティングに参加します。
最後となる第三状況の目標は防衛とされました。しかし状況が変わる可能性もあります。と意味深な説明…
第三状況は我々の分隊は7名。

今回は西側の南北の中間点あたりとなり、先の稜線が正面に伸びていく少し手前に横に陣取りました。
状況開始後少しして右側、北方で交戦している音が聞こえてきたものの我々の正面は非常に静かでした。
前回は敵が多数いた地区なので警戒していたものの、終始静かです。
しかしここで思わぬハプニングが発生。小隊系の無線機が電池切れになってしまいました。
幸い小隊長は近くに居たため直接状況を報告、以降は口頭で命令を受ける形になりました。

しばらく防衛ラインを引いて、最初はやや後方に下げたいたPJの2人にも陣地に着いて貰って死守の構えで敵を待っていたものの敵は来ず、嫌に静かなだけでした。
ここで命令が変更され、敵は重要人物を連れて脱出しようとしているので敵を探し出し重要人物を奪還する様命令が下りました。

西側地区は横一線で前進していきます。我々の正面はちょうど稜線があるため、稜線上にFT-A、稜線右側にFT-Bを配置してそれぞれの隣接分隊と合わせて前進していきました。100mくらい前進したところでしょうか、散発的に接敵し始め、前進もゆっくり慎重になってきます。しかし我々入れて3個分隊が横隊で進んでいる為相互支援が取れて順次撃破し順調に進んでいきます。

やがて敵の集結地と見える位置が前方やや右に近づき、敵の攻撃も激しくなります。
稜線上に展開していたFT-AのFTLのN氏から左翼側の部隊と連携し敵を包囲するので我々から離れる旨無線があり、その時点でFT-Aを左翼側部隊に預け残りのFT-Bの我々は右翼部隊と共に正面から攻撃を掛けていきました。

前進していくとデッドマーカーを出した状態の敵が多数おり、いよいよ最終局面だと思ったところでふと視界の正面から1発被弾。頭部に直撃!!
一瞬思考が真っ白になるも自分は頭を撃たれるだろうと思いずっとACH(ヘルメット)を被っていた為バリスティックルールで無効化され、肝心な所での戦死判定を免れました。

最終的に敵の集結地と思しき場所は制圧し、この時にFT-Aと再度合流しました。同時にFTLのN氏は被弾で即死判定になったと聞き左翼側部隊も相当な激戦であったのだろうと思いました。
各FTの状況を確認しつつ周囲を警戒してもらっていたあたりで状況終了となり、第三状況では1名死亡、自分がヘルメットに被弾という損耗状況でMFE各状況は終了しました。

第三状況で悔やまれるのが無線機の電池切れでした。運営から貸与される無線機で、充電池式なので電池切れは致命傷にもなりかねないものです。本来2台貸与されたのですが、自分が持っていればいいやと1台返納していたのが仇となりました。
定数借りて一台をFTLのどちらかに持っていて貰っていればと思うとあまりの自分の迂闊さに嫌になるくらいです。
一方分隊内の特小無線を使った無線通信ではFT-Aが少し離れた稜線上に展開した後も相互に連携が取れ、FTLの判断や意見具申がすぐにこちらで聞き取れて柔軟に対応出来たのではないかと思います。前進時のFT同士の展開位置の調整も図れて、そこの通信面は一番良かったのではないかと思います。

また、FTLをやってくれたN氏K氏は積極的に意見具申や報告を上げてくれつつも最前線でバリバリ動いてくれたため、余裕を持って味方の分隊との位置調整や状況把握が出来て小隊系無線機が使用できない状況にも関わらず密接に連携が取れたと思います。
(無線機が使えない故に小隊長には多大なご迷惑をお掛けしてしまいましたが…)

全状況を通して初めて僕はATAKを使用しました。味方の分隊ではかなりの人数が持っており、分隊の位置どころか詳細な分隊員の位置までひと目で把握出来た為、連携が重要な機動がとても的確に出来るようになったと思います。
一方で細かい使い方がわからず、敵のポイントマーカーが打てなかったり、もう少し習熟が必要かなと思う面もありました。
また、先述の通りくらい中でスマホを見ることは敵に的を教えることになるため、布等で隠れる必要があるかもしれませんし、電池切れ、故障に備えて従前のコンパス、GPSの装備は必須であるとも思います。
しかし、まあ、やはりテクノロジーですね!!!!!!


前回悔しかった部分が今回MFE01でだいぶ良くなったかなと思う一方今回も反省点は多くあったため次回参加出来た場合はそこも踏まえてより練度高くやっていければと思います。
そもそも僕自身の個人技量をもっと高くしないとなんで、次回への課題が少し見えてきたかなと思います。
状況中の事を思い出しつつバーっと書き出してみました。
思い違いや、なんやあると思います。他の方や友軍、対抗部隊から見てどうだったとかあると思います。
是非コメントやツイッターで教えて下さい。気が向いたらでいいので。


ちなみにATAK用にSIMロックを解除した元AU端末を用意したのですが、プリペイドSIMで悩みました。AU回線のプリペイドSIMってほとんど無いんですよね。
結局IIJのドコモ回線系の旅行者向けSIMを購入しました。
事前のセットアップは全てWIFIで行ったため通信量も200MB程度と余裕で3状況済みました。
一番のネックはバッテリーで古い端末(XperiaZ5)なのもあって満充電でも1状況終了後は10%以下まで減っていたためモバイルバッテリー必須です。
事前に充電しながら運用できる様に考慮しておく必要があります。
またモバイルバッテリーのLEDの光が漏れて敵に見つからないように配慮も必要ですね。


そんなかんじでしたが、とにかくめちゃくちゃ楽しいイベントでした。
辛い苦しい思いもたくさんするのですが、達成感もなかなかです。
もう一度やりたいぜ。




写真はいな氏(@ina_r1z)撮影 素敵な写真をたくさん撮ってくださりありがとうございます。

おわり  

Posted by くさったみかん at 23:44Comments(0)イベント