2020年08月16日

メイソンロックに向けて訓練?

メイソンロックに向けて訓練?

来月開催予定となるMason_rock.V3 Phase.4に初参加することにしました。
僕も初参加なのでアレですが、ネットで調べてみるとMilsimを目指したイベントということで擬似的な空爆をシミュレートしたりと大変興味深いイベントです。
また、敵味方の識別や空爆などに必要な情報として自身や目標の位置情報がキーとなるイベントなので、GPSやコンパスが重要アイテムになります。

GPSもコンパスも入手したものの使えなくては宝の持ち腐れなので実際に使用する練習をしてきました。
コンパスはアナログながら重要アイテムだと思います。
写真のコンパスはYCM製のレンザティックコンパスです。日本製で安価な為入門用にはよろしいかと思います。確か使い方のメモも入っています。

軍用の定番であるレンザティックコンパスは独特の形状をしています。これは複数の機能を持たせたためで蓋を完全に広げると定規となり、一般的な地形図の1/25000のスケールも刻まれています。

複数の使い方があるなかで今回重要なのは離れたモノの方位(方向)を測定する。という使い方です。

メイソンロックに向けて訓練?
蓋を立てて、黒いレンズは斜め30°くらいに傾けます。

メイソンロックに向けて訓練?
レンズ上部のスリットから蓋の隙間を見ると銃のサイトの様な要領で遠くのモノをマーク出来ます。
この状態で視線をちょっとずらしてレンズを覗くと…

メイソンロックに向けて訓練?
文字盤が見えます!外側の数値は「ミル」です。軍では結構使うのですが今回はとりあえず無視して内側の360°の方位でやっていきます。
これで離れた目標の方位を確認することが出来ます。


実際に練習するにあたって場所を決めて地図を用意する必要があります。
近所に適したと思われる場所が無いためちょっと遠いのですが新横浜公園を練習場所にしました。
メイソンロックに向けて訓練?
メイソンロックに向けて訓練?
新横浜公園は新横浜駅の北西、鶴見川付近の大きな公園です。公園内に日産スタジアム等の巨大設備があります。
なによりの特徴は公園一帯全てが調整池になっており鶴見川の水位が上昇した際は公園全てを水没させることで流域の街を守る設備となっています。普段は写真の通り緑が溢れた大きな公園になっています。それなりに視界が開けている様に思えたのでこの場所にしました。

地図は現代はインターネットを使用するのですが、スマホを使うのでは練習にならないので印刷して持っていきます。
国土地理院地図
こちらを使うことでお堅い地図を印刷出来ます。1/25000の地形図がほしいとこですが、A4サイズは携行しやすいので用紙に合わせて印刷して、距離などのスケールは都度計算して合わせて行きます。
国土地理院地図を使うことで正しい地図記号などの表記となりますし、等高線といった地形情報もしっかり読み取ることが出来ます。

現在いる場所を地図上に表示するには…
①ガーミンを使う場合は、ガーミンを起動し現在位置を測位してMGRS座標を取得します。
地図のMGRSグリッドの近い所から定規で端数の差異分の位置を南北方向と東西方向をそれぞれ測って線を結べば地図上に現在位置を表示出来ます。
※MGRSグリッドはUTMグリッドとほぼ同義です。詳しくは調べてください。

②コンパスを使う場合は、地図上でも目視でも明確にわかる2つの目標の方位を測って、その角度の通りに地図上に線を引けば2つの線の交点が現在位置になります。その交点とMGRSグリッドを比較して差を出して行けば現在位置のMGRS座標も算出出来ます。

ざっくり説明なので簡単に思える(僕自身そう思っていた)のですが結構たいへんです。

ガーミンを使う場合かなり楽、というか地図上で書いたり測ったりするのが中心なので外で練習する必要もたいして無いのですが、やはりコンパスは経験してみないとわかりませんでした。
2つの目標を決めて位置を割り出すのです。理屈はカンタンですが、意外にも2つの目標を決めるのが難しいのです。

メイソンロックに向けて訓練?
メイソンロックに向けて訓練?
メイソンロックに向けて訓練?
メイソンロックに向けて訓練?
メイソンロックに向けて訓練?

どうでしょう、周りを見渡した写真と地図です。何もわからないとチンプンカンプンですよね。
なのでざっくりした情報から大まかな位置を見ていかなければなりません。
大きな目標となるのは、山や川、湖だとか巨大な建物、施設などです。
画像では不十分ですみませんが現地は高速道路の高架橋や鶴見川に架かっている道路橋と日産スタジアムそして鶴見川との位置関係を見るとざっくりした位置を考えられます。

正確な位置が必要になった場合ピンポイントな角度を図る必要が出てきます。
そうなると道路や日産スタジアムなどの幅の大きな目標だと方位を確認しにくいです。
地図上・目視共にピンポイントに測るとなると……
まず1つは電波塔があります。
メイソンロックに向けて訓練?
電波塔は地図記号で位置が記されていますし、高くて細いのでどこからでも見えます。格好の目標物です。
新横浜公園のたいていの場所で1つの目標物として機能してくれます。

他には、特徴的な建物を地図で探して実際に見えるか確認し、目標物にします。

メイソンロックに向けて訓練?
地図上で一番南側の丸は先の電波塔です。
一番北の丸は学校のようです。学校は日本の場合特徴的な建物なのでパット見でわかりますよね。
ミリタリー的に言えば、モスクとか、教会とかみたいに特徴的な形状の建物の可能性が高いモノを地図で探して見ます。もちろん見えそうな範囲で。

メイソンロックに向けて訓練?
見えました。長方形の建物でしかも地図にも建物の形状が書いてあります。角の部分を使って角度をピンポイントで取ることができそうです。

メイソンロックに向けて訓練?
地図中央の建物です。比較的大きい建物なので特定出来ました。これも角を使っています。

こんな要領で目標物を決定していきます。
建造物の他には山の山頂や、道路の交差点等、地図と目視両方で見つけられるモノを探していくことになると思います。
これは経験と発想だと思われます。また、事前に可能な限り下調べをしておくことでより容易に目標物を設定出来るようになるでしょう。
多少でも土地勘があるだけでかなりやりやすくなります。
あと2つの目標物は可能な限り90°程度離れた範囲で探すのが理想です。角度が近すぎるあるいは離れすぎている場合、2つの線の角度が浅くなり誤差が大きくなります。交差する角度がおおよそ90°程度の時が一番正確になりやすいです。


方位がわかったら地図上の目標物に線を引きます。
…が!このとき注意点があります。

真北と磁北の違いがあります。地図上の北とコンパスが指す北は違うのです。
地磁気がほんの少しずれているのでそこを加味しないといけません。
この地域は7°2'西側にずれています。今回は地図印刷時に斜めに磁北線を印刷するようにし、この傾いた磁北線を基準に角度を引くことで磁北分を加味しています。
この計算を忘れたりすると位置がだいぶずれてしまいますので何度か練習することで抜け漏れ無いようにしましょう。



まあ、長々と書きましたが実践した結果としては…

最初の位置測定は誤差約150m… 完全に失敗です。片方の目標物の方位が完全にずれているようです。
目標物を変更してもう一度チャレンジ!今度は誤差約50mまで近づきました。

コンパスのメモリが5°ずつの為もともとあまり正確な角度では無いのですが、まずまずの結果といえると思います。
位置を移動して、ガーミンで測位した結果を地図上に示すのとコンパスで方位を図り現在位置を確認するのを実践し、それを恐らくは一番正確なスマホのGPSと地図機能を使って答え合わせする形で練習を数回繰り返しました。

ちなみにガーミンetrexの測位とスマホのGPS機能の実力はこんな感じでした。
メイソンロックに向けて訓練?
赤い丸は実際にいた位置
ピンがガーミンが示したMGRS座標
青い丸がスマホのGPS情報

ガーミンにはこのとき誤差約6mと出ていたのでおおよそ正しく測れていることがわかります。
スマホのGPSは2002年のガーミンとはやはり格が違い速度も正確さも抜群です。

やはり現在位置の確認ではGPSが優秀です。現在位置を確認するのにコンパスを使用するのは基本的には緊急時ということになります。
だからといってコンパスが無用なわけではありません。
現在位置の確認ではGPSが優秀ですが遠くを確認する上ではコンパスは重要です。
ガーミンなどのハンディGPSでは現在位置の確認しか出来ません。なので敵陣地の位置を確認したいなどといった状況の際はコンパスを併用することになります。

GPSで現在位置を確認し、コンパスで敵などの目標の方位を確認すれば目標の位置が予想出来ます。
この場合最後にネックになるのが目標までの距離です。
距離を測定するのは非常に難易度が高いです。横幅が大きくてかつ大きさが正確にわかる場合は両端のミル方位を測定しその差から計算することで距離を予想出来ますが、ほとんどの場合ミル方位の差を測定出来るほど目標は大きく無いと思われます。また、正確な大きさが不明な場合も多いと思われます。
現在だと軍用ではレーザーで距離を測るレンジファインダー等がありますが、なかなか安くはないので手に入りません。

なので現状では経験に基づく予想、になるかと思います。
目標の前後の地形などに特徴があれば距離の範囲を絞ることも出来ますが、完全ではありません。
そのうち距離を予想する練習もしたい所ですが、できればミルレティクル付きの双眼鏡かスコープが欲しいですね。

コンバットマガジンでは距離の把握は繰り返し訓練を積むことで目視でもある程度正確に距離をつかめるようになるとはありますが…
個人的には距離の感覚が苦手なので難しいかもしれませんネ…


イベントはまだ1ヶ月ちょっと先ですが、こうやって勉強や練習をして新たな知識を得るのが楽しみの一つです。
ひとまずはイベントの無事開催と僕が足を引っ張らずに任務を遂行出来るように頑張りたい所です。
何にしても非常に楽しみです。



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Posted by くさったみかん at 22:27│Comments(0)その他イベント
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